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【有隣堂しか知らない世界チャンネル】YouTube担当者必見!裏側インタビュー!

はじめに

「有隣堂しか知らない世界」は株式会社有隣堂が運営するYouTubeチャンネルです。

企業のYouTube運営の担当者のほとんどの方がご存知のチャンネルではないでしょうか。

 

https://www.youtube.com/@Yurindo_YouTube

今回はそんな有隣堂様のチャンネル運営体制やYouTubeを始められたキッカケや目標などを、ご担当されている阿部様にお話を伺いました。

 

株式会社有隣堂
社長室デジタルクリエイティブチーム
阿部 綾奈様

 

目次

1現状の運営・制作体制について

2運営・制作体制の変遷について

3チャンネル成長のキッカケやそのための取り組みについて

4チャンネルで実現したいことについて

5他の企業さまに向けて

最後に

 

1現状の運営・制作体制について

ーーーまずは自己紹介をお願いします。

社長室デジタルクリエイティブチーム所属の阿部綾奈と申します。主な業務内容としては、YouTube「有隣堂しか知らない世界」の企画、運用を全般的に担当しています。コンテンツディレクター兼プロジェクトマネージャーのようなイメージになります。

 

ーーーYouTubeの運営・制作チームの体制について教えてください。

社内のYouTube運営チームは、コンテンツディレクター1名(阿部様)と撮影補助や配信などを担当するテクニカルディレクター1名の合計2名がメインです。他に、兼任という形でデザイン領域や出版領域に強いメンバー5名でチームを構成しています。有隣堂社員以外に、外部のプロデューサーのハヤシユタカさんと共に運営しており、企画のジャッジや、動画の実務(編集)部分をお願いしています。今はこのメンバーで、収録した動画を毎週火曜日に1本投稿、YouTubeライブを月に2回実施しています。

 

ーーー今のプロデューサーのハヤシさんにジョインしてもらった経緯について教えてください。

実は「有隣堂しか知らない世界」の開設前に、「書店員つんどくの本棚」というチャンネルがありました。2020年2月に開始したチャンネルで、当時は今とは別の制作会社に依頼していました。 本の紹介がメインの投稿で、イラストとナレーションを使って本を紹介していたのですが、全く反応も効果もなく、社内のモチベーションも下がってしまいました。
そこで、現状を変えていこうと、ハヤシさんにジョインしてもらい、チャンネルリニューアルを行い、2020年6月から今のチャンネルが開始しました。

 

リニューアル前後の企画(左:立ち上げ当初、右:リニューアル後)

 

 

2運営・制作体制の変遷について

ーーー4年前から投稿されていますが、当初の制作体制から変化はありましたか?

現在の制作体制は、当初とは全く異なります。開設最初の2019年に、当時副社長だった松信健太郎(現社長)が「これからの時代は動画だ。YouTubeをやろう。」と社内の企画開発部に声をかけたのがきっかけで、YouTubeを始めました。*1
その後、組織改変が何度かありましたが、長らく広報・マーケティング部が広報事業の一環としてYouTubeの運営を担当していました。そして、今年の9月にデジタルクリエイティブチームが新設され、今はこのチームが担当しています。
*1 当時の企画開発部は新しい事業や新しい店舗作りの企画を担当

 

ーーー様々な体制の変化があった中で、当初と同じ方針、同じクオリティで動画を制作し続けられている要因は何だと思いますか?

社内の体制は先ほどの通り変化してきたのですが、プロデューサーは、当初から変わらずハヤシさんが担当してくれているため、特に企画面に関して一貫性をキープできていると思います。
また、YouTubeの運営目的を「有隣堂のファン作り」と、開設した当初から目的を変えずにいられていることも要因だと思います。

 

3チャンネル成長のキッカケやそのための取り組みについて

ーーーチャンネルが成長し始めたタイミングについて教えてください。

最初の「書店員つんどくの本棚」の時は、どの投稿も100回再生に届かないほどでした。
ただ、「有隣堂しか知らない世界」にリニューアルしてからは、 1番最初の投稿「キムワイプの世界」から1500回ほど再生されました。出演者である、有隣堂の文房具バイヤー岡﨑弘子が大好きな商品ということでキムワイプを紹介したのですが、実は公開当時、キムワイプは有隣堂の店舗では取扱いがありませんでした。自社店舗で取り扱っていない商品を熱く紹介する岡﨑の姿に、視聴者からは驚きとともに好意的なコメントが多数届きました。この1本目の動画が、「当社のスタッフやゲストが愛をこめてお伝えするチャンネル」というチャンネルコンセプトを示すものとなり、現在も継続しています。

チャンネルが成長した大きなきっかけの一つとしては、2021年2月にWEBメディアねとらぼに掲載された「有隣堂しか知らない世界」の紹介記事が挙げられます。ねとらぼのライターさんがチャンネルを見つけて書いてくれたもので、この記事をきっかけにチャンネル登録者数1万人を達成しました。

 

ーーーリニューアル後のコンセプトや企画の方針をどう決めていきましたか?

当初、コンセプトや番組構成を考えるにあたって、かなりリサーチと議論を行いました。 リニューアルにあたっては「有隣堂にしかできないことをやろう」と考えていました。私たちの強みといえば、長年、書店の運営をしていること。そして、商品への「知識」と「愛」を持つスタッフがたくさんいること。リニューアルを機に、「スタッフの豊富な知識と商品愛」にスポットを当てることにしました。
番組の構成については、ハヤシさんのアイデアで、テレビ番組「マツコの知らない世界」(TBS系)と「sakusaku」(テレビ神奈川)を参考に「掛け合い」の構図をつくることにしました。出演者が商品について熱く語り、MCが客観的な意見を述べる。MCの率直な疑問や意見によって、出演者の面白さを引き立てる構図となっています。

企画に関しては、プロデューサーと念入りに打ち合わせを重ねて進行しました。それはチャンネル開設から4年以上が経過した現在もずっと同じです。

 

ーーーどんなフローで企画を考えていますか?その際のチェック体制についても教えてください。

今は企画ごとに異なり、いくつかパターンがあります。
例えば、社内の出演者で制作する企画については、社内に蓄積されている様々な専門知識をコンテンツにできないかという方針で考えています。
まず最初にデジタルクリエイティブチームで社内の専門知識をどうすれば面白くできるかを考え、その後該当部署にヒアリングを行い、ある程度企画資料にした後にプロデューサーの判断を仰ぐ流れにしています。プロデューサーには、視聴者の皆さんに面白いと思ってもらえるかの視点で、フラットにジャッジをしてもらっています。率直な意見をいただいた後に、社内でブラッシュアップを行い、企画書をアップデートして再度フィードバックをいただいています。 ​​収録時にはプロデューサーが台本を作りますが、A4用紙2枚ほどの短いものになります。全体の流れだけが記載されており、細かなセリフなどは決められていません。トークに関しては、MCの「R.B.ブッコロー」の手腕が光っており、彼の才能にお任せしています(笑)。

公開前の動画のチェックは、開設当初から​​社内のYouTube運営チームだけで行なっており、問題がなければ公開としています。そのため、法務チェックや社長チェック、部長チェックなどもしていません。公開前のチェック段階で「こうしてほしい」「これをやめてほしい」という関係各所からの意見が入るとコンテンツとしての面白さを失ってしまう、というプロデューサーの強い意向があり、現場の私たちがしっかり判断するようになりました。ただし、共通のマインドとして4つのことを社長と約束しており、メンバー全員で遵守しています。
1)人権侵害をしない
2)反社会的なことをしない.
3)誰かを傷つけることをしない
4)著しく品性を欠くことをしない
リスクについても対策を取っており、 薬機法など法律に反する可能性がある部分については、然るべき相談場所に事実確認を取り、問題がないかの確認を進めています。

 


https://www.youtube.com/watch?v=tCeNVijD2Kw

 

4チャンネルで実現したいことについて

ーーーチャンネル開設のきっかけについて詳しく教えてください。

先ほどの通り、「これからの時代は動画だよね、YouTubeだよね」と現在の社長から話が上がったことがきっかけです。
その発言があった背景には、書店業界が非常に厳しい状態なことがあります。今も変わってはいませんが、来店者数の減少や読書人口の減少、非常に利益率の低いビジネスモデルといった問題があります。そういった現状に対して危機感を覚え、新しい突破口は何かと考えた中でオウンドメディアの運用に着目され、時代に合わせた形としてYouTubeだと考えました。
また、業界が厳しい状態にあるなか今働いている従業員に成功体験がないことが、非常に問題だと考えていました。書店員は専門知識があるお仕事にも関わらず、目標の達成が難しかったり、成果が見えづらかったりと、モチベーションが低下してしまう現状が少なからずあります。そんな環境でもお客様からポジティブなお声をいただく機会を増やしていくための1つのきっかけにYouTubeチャンネルがなると嬉しいという思いもあったようです。

 

ーーーチャンネルの今後の目標についてはどう考えられていますか?

社長がそういった思いでYouTubeを始められてから、私たち現場の人間もチャンネルを成長させていかないといけないと思っており、今後はより一層ファンとのコミュニケーション・ファンマーケティングに力を入れていきたいと思っています。
チャンネル登録者数が増えていく中で(現在31万人を突破※2024年11月時点)、視聴者の方のお声を可視化できるようになってきています。
具体的な事例では、2024年9月の末に誠品生活日本橋(有隣堂が運営)で、24時間公開生配信イベントを実施しました。YouTubeのファンの方にもたくさんお越しいただき、4000人ほどの方に来場いただきました。お店の売り上げにも貢献できましたし、生配信の同時接続数も今回は過去最大8000人以上となりました。*2
YouTubeチャンネルには、アーカイブを数本に分けて配信しており、 のべ28万人以上の方が視聴してくれました。ファンの方の応援してくださる姿を会場でもオンラインでもはっきりと見ることができて、ファンの方のためにやっていることを改めて私たちも感じることができた良い機会でした。今後もファンの方に喜んでもらえる、毎日が少しでも良くなるようなチャンネル、コンテンツ作りをしていきたいなと思っています。

YouTubeライブも、リアルタイムでのコミュニケーションが取れる点を魅力に感じて実施しており、質問箱企画やアンケート企画、お客さんのお悩み企画などを実施しています。視聴者の方々がかなりアクティブに反応してくださっており、嬉しく感じています。
*2 普段の生配信では2000人ほど

 

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000135515.html

 

ーーーKGIやKPIなど目標としている定量的な数値を設定していますか?

年間で計画を立てており、チャンネル登録者数をKGIに掲げています。KPIとしては視聴回数の推移を見ています。定量的に結果を見ながら毎月PDCAを回しています。
アナリティクスで得られる指標からは、特に視聴持続率を重視しています。動画の構成にも関わる指標だと考えているため、プロデューサーと話し合うケースもあります。 他にはサムネイルのクリック率なども観測しています。

 

5他の企業さまに向けて

ーーーどのような企業にYouTubeチャンネル活用をおすすめできますか?

私たちもまだまだ成長段階ではあるのですが、、、どんな業界、どんな会社でも自社の専門性を必ず持っていると思います。その専門性を発揮できる場所として、全ての企業にYouTube活用をおすすめできます。YouTubeというプラットフォームを活用することでアプローチ可能なユーザー層が圧倒的に増えると感じているので、オウンドメディア施策は他にもたくさんありますが、その中でもユーザー数が多いYouTubeは潜在顧客に対してアプローチできる点が強いと思います。
撮影や編集など技術的な部分も必要にはなりますが、何より根気が必要だと感じているのでチームワークが大事だと思っています。

 

最後に

阿部様、お忙しい中インタビューにご協力いただきありがとうございました!
既にYouTubeチャンネルを運営している方も、開設するかどうかを検討している方にも非常に有益なインタビューになりました。特に、運営体制と役割分担の仕方や、自社のオリジナリティの発信の仕方から、「有隣堂しか知らない世界チャンネルの強み」が形成されてきた背景や理由を感じることができました。
インタビュー中も阿部様ならびにチャンネル運営に携わられている全ての方々からのチャンネルや視聴者の方々への強い想いも感じた時間となりました。

 

有隣堂様、有隣堂しか知らない世界チャンネルの益々のご発展をお祈り申し上げます!

 

有隣堂ホームページ
https://www.yurindo.co.jp/
有隣堂しか知らない世界チャンネル
https://www.youtube.com/@Yurindo_YouTube/featured

 

 

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