
近年、企業のマーケティングや採用、ブランディングにおいて、動画活用は欠かせない存在になっています。
一方で、「動画を作りたいが予算が足りない」「継続的に制作するのは負担が大きい」と感じている企業も少なくありません。
そうした企業にとって、有効な選択肢の一つが補助金・助成金の活用です。
実は、動画制作費は目的次第で補助対象になるケースが多く、正しく制度を選び、計画書を作成すれば、制作コストを大きく抑えることが可能です。
本記事では、動画制作で実際に活用しやすい補助金・助成金を中心に、制度の特徴・注意点・探し方までを分かりやすく解説します。
8.動画制作で利用できる補助金・助成金に関するよくあるQ&A
動画制作に活用できる主な補助金・助成金には以下の種類があります。
・小規模事業者持続化補助金
・事業再構築補助金
・中小企業新事業進出補助金
・ものづくり補助金
・クリエイター・事業者支援事業費補助金
・自治体の補助金
それぞれの最大補助額、最大補助率、申請方法を整理したのが以下の表です。
| 最大補助額 | 最大補助率 | 申請方法 | |
| 小規模事業者持続化補助金 | 200万円 | 2/3 | 電子 |
| 中小企業新事業進出補助金 | 9,000万円 | 1/2 | 電子 |
| ものづくり補助金 | 3,000万円 | 2/3 | 電子 |
| クリエイター・事業者支援事業費補助金 | 4億 | 1/2 | 電子 |
ここからは、それぞれの補助金・助成金について詳しく解説していきます。
商工会・商工会議所の支援を受けながら事業計画を作成し、商品・サービスの認知拡大や売上向上につながる施策に対して、
かかった費用の一部が補助されます。
Webサイト制作、広告宣伝、チラシ・動画制作、展示会出展などが対象になりやすく、
動画制作費も「販路開拓」の一環として計上できる点が特徴です。
参考:https://r3.jizokukahojokin.info/index.php
補助金の対象者となるのは、下記の法人、個人事業、特定非営利活動法人です。
| 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) | 常時使用する従業員の数が5人以下 |
| 宿泊業・娯楽業 | 常時使用する従業員の数が20人以下 |
| 製造業その他 | 常時使用する従業員の数が20人以下 |
前提:動画は「販路開拓等(売上増・集客)」や「業務効率化」に資する取り組みの一部として位置づける(会社紹介だけだと弱い)。
計上区分の基本:動画制作は多くの場合、ウェブサイト関連費(例:商品販売のための動画作成等)として整理される。
重要な制約:
・ウェブサイト関連費“だけ”の申請は不可(他の経費区分とセットが必要)
・ウェブサイト関連費は 補助金交付申請額の1/4が上限(最大50万円)
実務条件(共通):交付決定後に発注・実施し、期間内に支払い・証憑(見積/発注/納品/請求/振込等)を揃える。
商品・サービス紹介動画(Webサイト/LP掲載用、30〜90秒)
店舗紹介・来店促進動画(Googleビジネスプロフィール/SNS用)
EC商品ページ用動画(使い方、サイズ感、ビフォーアフター)
SNS短尺広告動画(Instagramリール/TikTok向け15〜30秒)
FAQ・不安解消動画(初回購入の壁を下げる)
導入事例・お客様の声動画(信頼形成・CV改善)
期間限定キャンペーン告知動画(来店・予約・購入導線)
| 申請枠 | 補助率 | 補助上限額 |
|---|---|---|
| 通常枠 | 2/3 | 50万円 |
| 卒業枠 | 2/3 | 200万円 |
| 後継者支援枠 | 2/3 | 200万円 |
| 創業枠 | 2/3 | 200万円 |
| 賃金引上げ枠 | 2/3(一定の要件を満たす場合は3/4) | 200万円 |
| 災害支援枠 | 2/3 | 最大200万円(被害状況による) |
中小企業が新たな製品・サービスや新市場へ進出する「新事業」に挑戦する際の投資や販促を支援するための国の補助金制度です。
参考:https://shinjigyou-shinshutsu.smrj.go.jp/
新たな事業領域への進出を目指す中小企業(※)
(※)補足:中小企業新事業進出補助金について この名称は、各自治体(都道府県など)が独自に「新事業進出」を支援するために設けているケースが多く、地域によって条件が大きく異なります。
前提:動画は「新規事業(新製品/新サービスを新規顧客へ提供)」の周知・集客に必要な販促物として位置づける。
計上区分:広告宣伝・販売促進費(補助事業のPR等に係るWebサイトもこの区分扱い、という注記あり)。
対象外の典型に注意:FAQで明示的に、求人広告は補助対象外(採用動画・採用目的の広告は計画上の位置づけに注意)。
発注先ルールにも注意:事業計画書作成支援者等への発注制限(みなし同一事業者の考え方)など、取引先制約がある。
実務条件(共通):交付決定後に発注・実施、期間内支払い、証憑整備(手引きで日付整合の重要性が強調)。
新サービスのデモ動画(“どう使うか”を見せる)
新規顧客向けの課題解決ストーリー動画(悩み→解決→導入)
新EC立ち上げ時の販促動画一式
・商品紹介(短尺/中尺)
・使い方・レビュー
・比較・選び方
リード獲得用動画広告(LP遷移/資料請求に最適化)
展示会用のループ動画(ブースで理解させる)
補助上限額:
新事業進出補助金の補助上限額は2,500万円から9,000万円であり、従業員数区分によって異なります。
|
従業員数区分 |
補助上限額 |
|
従業員数20名以下 |
2,500万円 |
|
従業員数21名から50名以下 |
4,000万円 |
|
従業員数51名から100名以下 |
5,500万円 |
|
従業員数101名以上 |
7,000万円 |
補助率:原則1/2
中小企業・小規模事業者が行う革新的な製品・サービスの開発や、生産プロセスの改善に必要な設備投資を支援する国の補助金制度です。
参考:https://seisansei.smrj.go.jp/subsidy_guide/subsidy_info/manufacturing_subsidy.html
日本国内に本社を置き、国内または海外市場向けに事業展開を行う中小企業・小規模事業者
前提:動画制作(広告宣伝・販売促進費)が認められるのは、基本的に グローバル枠のうち「海外市場開拓(輸出)」に関する事業など、条件付きのケース。
計上区分:
・グローバル枠(海外市場開拓)では、海外展開に必要な広告(パンフレット・動画・写真等)の作成・媒体掲載が対象になり得る。
制約:
・会社全体のPRや、補助事業と関係しない製品・サービスの広告は対象外
・広告宣伝・販売促進費は 補助対象経費総額(税抜)の1/2が上限(該当枠のルール)
・補助事業期間内に使用・掲載されることが必要
新製品の技術・性能訴求動画(製造業向け、BtoB営業用)
製品の導入メリット説明動画(工数削減・安全性・品質など)
【グローバル枠/海外市場開拓の場合】
海外向けPR動画(英語字幕・多言語版)
海外展示会向け動画(ブース・商談用)
海外向けハウツー/マニュアル動画(輸出後のサポート設計)
| 申請枠 | 従業員数 | 補助上限額 | 補助率 |
|---|---|---|---|
| 製品・サービス高付加価値化枠 | 5人以下 | 750万円 | 中小企業:1/2 小規模事業者等:2/3 |
| 6~20人 | 1,000万円 | ||
| 21~50人 | 1,500万円 | ||
| 51人以上 | 2,500万円 | ||
| グローバル展開型 | 一律 | 3,000万円 | 中小企業:1/2 小規模事業者等:2/3 |
日本のコンテンツ産業(映像・アニメ・音楽・ゲーム等)に関わるクリエイターや制作事業者の事業活動を支援し、国内外での市場展開や競争力強化を目的とした国の補助金制度です。
国内のコンテンツ関連企業(制作会社など)、中小企業、個人事業主など
前提:この補助金は、主にコンテンツ産業の海外展開・新市場開拓を促すための制度で、対象事業が定義されています。
対象になり得る方向性(例):
・海外向けローカライゼーション&プロモーション
・国内制作会社等による映像制作(プロダクション/ポスプロ等)
応募主体の条件:日本の法令に基づき設立された法人、体制・資金管理能力などの要件(募集枠により詳細あり)。
ショートドラマ/ショートアニメ等の作品制作(本編)
作品のトレーラー/ティザー(配信・販売のための宣伝)
海外展開向けローカライズ版(字幕・吹替・編集差分)
国際販売用のプロモーション映像(マーケット向け資料)
制作工程(ポスプロ、MA、VFX等)を含む映像制作コスト
| 事業区分 | 最大補助額 | 最大補助率 | 主な対象 |
|---|---|---|---|
| コンテンツ本製作 | 4億円 | 1/2以内 | 海外市場に訴求する高品質なコンテンツ制作 |
| 企画・脚本開発 | 2,000万円 | 1/2以内 | 高品質なコンテンツの本製作に向けた企画・脚本開発 |
| システム開発 | 5,000万円 | 1/2以内 | コンテンツ製作・流通における生産性向上/構造改革・強化に資するシ |
ここまでいくつかの補助金を紹介してきましたが、実は補助金の採択率は高くありません。
補助金申請の経験やノウハウがないという場合には、補助金の申請支援をしている企業などに相談することをおすすめします。
ここまで紹介してきた補助金・助成金以外にも、活用できる補助金・助成金は数多く存在します。
ただ、補助金の申請条件が合わない場合は、地方自治体の補助金・助成金の検討をすることもおすすめします。
Q1.動画制作費はどこまで補助対象になりますか?
A.企画・撮影・編集などの外注費が対象になるケースが多いですが、制度ごとに細かなルールがあります。
Q2.自社で撮影した動画でも対象になりますか?
A.基本的には外注費が対象となるケースが一般的です。
Q3.採用動画でも使えますか?
A.制度によります。販路開拓や事業成長と結びつけられるかが重要です。
Q4.補助金と助成金は併用できますか?
A.同一経費への重複充当は不可ですが、別事業・別経費なら可能な場合があります。